妊娠中の湿布の使用に要注意!

妊娠中の湿布

まだお腹が大きくならない妊娠初期にも、腰痛に悩まされることがあります。これは、外から見るとわからなくても、お腹の中では子宮が大きくなり始め、骨盤内の充血が起こるためです。また、妊娠すると多く分泌される女性ホルモンの影響によって、背骨の関節や靭帯がゆるみ、骨盤が不安定になることも関係しています。

ちょっとした腰痛は病院に行くまでもないし、湿布薬でも貼っておこうかな、と思われる方、要注意です。市販の湿布薬には、胎児に深刻な影響を及ぼす可能性がある製品があります。

知っておきたい、妊婦と胎児に危険な成分

最近の湿布薬は高性能なものがたくさんあり、においを抑えて速やかに痛みをとるハイスペックなものも。しかしその効果は、胎児と妊婦にとっては非常に危険な副作用をもたらします。
湿布薬の「成分」を確認して、以下のものが含まれている場合、妊娠中の使用は控えたほうがよいとされています(とくに妊娠後期)

  • インドメタシン
  • ボルタレン
  • ケトプロフェン

ケトプロフェンの危険性

ケトプロフェンについては、2014年4月に厚生労働省より使用上の注意が出され、妊娠後期の女性には使用しないこと、妊娠中期の女性は、必要最小限に、慎重に使用すること等が明記されています。妊娠後期の女性がケトプロフェンを含むテープ剤を一日一枚以上一週間連続で使用したところ、胎児に動脈管収縮が起こり、非常に危険な状態になったという症例があり、同様の症例が複数報告されています。また、妊娠中期の女性が湿布薬一日6枚を数日にわたって使用したところ、羊水過少症になった、という症例も報告されています。

湿布薬一日一枚で?と思われるかもしれませんが、強力な成分を含む湿布薬は、皮膚から吸収されて体に大きな影響を及ぼします(だからこそ痛みも緩和されるわけですが…)これは、子宮から離れた部位、たとえば手首や足首になどに貼っても危険性は変わりません。

妊娠中でも大丈夫な湿布薬

ちなみに、妊娠中でも禁止されていない湿布薬もあります。「第3類医薬品」に分類されているものがそれで、商品名を挙げると、サロンパスAeやアンメルツヨコヨコなどがそうです。ただし、同じ「サロンパス」シリーズや「アンメルツ」シリーズの薬品でも、第1類医薬品、弟2類医薬品に分類されるものがあり、そういったものは効果が強い分、胎児に危険な成分が含まれていることが多いです。
肩や腰に不調を訴える妊婦さんの場合、一番よいのはかかりつけの産婦人科で相談して、安全な湿布薬を処方してもらうことだと思います。

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