鉄剤で便秘が悪化?!

鉄剤

現代の女性はもともと貧血気味の方が多いのに加えて、妊娠中は赤ちゃんに栄養を贈るため血液量が増加するにもかかわらず赤血球の数は変わらないため、貧血になる妊婦さんが多いようです。一説によれば、妊娠中の女性の30~40パーセントは鉄欠乏性の貧血になるそうです。

妊娠週数が進むにつれ、必要な鉄分の量は増え、食事で補うことは難しくなっていきます。そこで処方されるのが鉄剤。鉄分を補うための薬で、鉄粉を精製してヘム鉄にしたものです。通常、血中ヘモグロビン値が10を切ると処方されることが多いです。

この薬の副作用は、嘔吐や動悸ですが、それに加えて便秘や下痢をしやすくなってしまうのです。鉄剤に含まれる鉄分が胃腸に負担をかけるためです。

解決方法その①注射に切り替える

飲み薬は胃腸を刺激してしまいますが、直接血管に注射する場合は、消化器官を経由しないので、胃腸に負担がかかりません。飲み薬だと嘔吐がひどかったけれど、注射に切り替えて改善したという方も多いようです。ただ、頭痛などの他の副作用が出ることもまれにあります。

解決方法その②水溶性の食物繊維を摂取する

鉄剤を摂取しているときは、胃腸が弱っているので、負担をかけやすい不溶性の食物繊維よりは、フルーツ等から、水溶性食物繊維を摂取して便秘解消を手助けするのがよいそうです。たとえば、プルーンや、キウイ、りんごなどですね。このとき大切なのは、同時にしっかり水分補給をすること。

妊娠中は水分不足になりやすいのですが、摂取した食物繊維が腸内で働くためには、十分な水分が必要だからです。

解決方法その③腸内の善玉菌を増やす

このサイトの別記事でも紹介しているオリゴ糖や、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食べ物を積極的に摂取することで、腸内環境を改善し、出やすい便を作れるようにします。

あわせて、鉄分を多く含む食事を心がけましょう!

妊娠中は、赤ちゃんが大きくなるにつれて必要とされる鉄分量はどんどん増えます。さらに、鉄分不足を指摘されて、なんらかの対策をとったとしても、効果が出るのは1~2カ月先だといわれています。ですので、鉄剤が原因で便秘になったとしても、「勝手に薬の服用をやめて、食事から必要な鉄分を摂取するよう心がける」のは非常に危険です。薬があわない場合はまず医師に相談の上、同時にふだんの食事でも鉄分摂取を心掛ける、くらいに考えましょう。

鉄分を多く含む食事といえば、レバーとプルーンが思い浮かびますが、このふたつに頼るのも考えものです。というのも、レバーには初期の妊婦が摂りすぎると危険なビタミンAが多く含まれているためで、週一回くらいの摂取にとどめておいたほうがよさそうです。

また、プルーンにも鉄分が含まれていますが、そんなに量は多くない上、ペクチンと呼ばれる食物繊維に包まれているため、そのままいっしょに排泄されてしまうことが多いです。ホウレンソウや小松菜、ひじき、切干大根、大豆などには非ヘム鉄が多く含まれます。

また、牛赤身肉やカツオなどに含まれるヘム鉄は、同じ鉄でも野菜に含まれる非ヘム鉄よりも吸収がよい(5~10倍)のでおすすめです!

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